小学校から帰ってきた娘が、おやつに「目玉焼き」を作る!って… その理由は『星ヶ丘高校料理部 偏差値68の目玉焼き』という本
小学校5年の娘が学校から帰ってきて、お腹が空いたからおやつに「目玉焼き」を作りたいという。
はぁ? 目玉焼き? おやつに? 別に構いませんが…。
しかも、「作って!」ではなく「作りたい!」。ははーん、家庭科の授業で目玉焼きを作って失敗、そのリベンジのつもりかな、と推察。
以前、オムレツを練習したいと言い出した娘用に買ってあげたテフロンの20cmくらいのフライパンがある。そして、卵とオリーブ油も用意。
すると、オリーブ油ではなくバターが良いという。
へー、そうなの? それは初めて聞いたわ。
準備が整ったところで自分で火をつけ、弱火にセット。すると独り言のように、
「目玉焼きは弱火で焼くのがいいんだよ」
「バターが溶けて泡立ってきたら卵を入れるんだよ」
「目玉焼きは、低い位置からフライパンに入れるんだよ」
「蓋はしないほうがいいんだよ」
などなど。
そして出来上がった目玉焼きをお皿に移すと
「黄身には塩をかけない方がいいんだよ」という。
そうだよね、確かに白い斑点が出来てしまうから、見た目がちょっとね。
それにしても、この「目玉焼き」についての知識量はちょっとすごいな。どこから得たんだろう。
食べ終わったところで、一体何があったのかを聞くと…。
「今日、図書室でおもしろい本を見つけたの。これ。」と言ってランドセルから出してきたのが『星ヶ丘高校料理部 偏差値68の目玉焼き』という文庫本。
高校の料理部の入部テストが「目玉焼き」という設定らしい。で、入部希望のふたりの女子生徒はうまく作れず、部長の男子生徒が完璧な「目玉焼き」を作ってみせる、というところから話が始まっていくそうで。
娘は、この目玉焼きの章を読んでいたら、書かれていたやり方で目玉焼きを作って食べてみたくなったんだそうです(笑)! まだ途中までしか読んでないそうだけど、料理に興味を持ってくれたことは嬉しい限り。その気持ちが続いてくれればなお良いんだけど…。
そして学園モノの小説なので、先生がいて、女子生徒、男子生徒が絡んでくるとなれば面白いだろうなと思ったし、料理の勉強にもなる。当たり前のように作っているものでも、ひとつひとつの過程には理由があることに気づいてくれれば、研究熱心にもなろうかというものだし。
お話は目玉焼きの後、スフレオムレツ、ハンバーグ、カレーライス、ハンバーガーと展開していくようです。
娘が読み終わったら、借りる約束をしました(笑)。
著者は樋口直哉さん。プロフィールを見ると作家でありながらフレンチの料理人でもいらっしゃるようです。
この本を読んでたら、英国人シェフの「ヘストン・ブルメンタール」の「究極のフライドポテト」が頭に浮かんで急に食べたくなってしまって。大変手間がかかるレシピなんですが真似して作ってみたらとても美味しかったんですよね。娘にもその話をしたら、手伝うから今夜作ろう!ということになって…
でも、もうレシピを覚えてないので改めて「究極」「フライドポテト」「英国人シェフ(シェフの名前を忘れてしまったので…)」で検索をかけたら、なんと!この『星ヶ丘高校料理部 偏差値68の目玉焼き』の著者の樋口直哉さんのサイトが検索結果の一番上に登場!!
あまりの偶然にびっくりしつつサイトを拝見したら、まさにヘストン・ブルメンタール式をわかりやすく、日本のジャガイモに合わせた詳しいレシピが書かれていました! さらに簡略化したレシピも。
その日は娘も手伝うと言ってくれたことだし、ということで手間が掛かる方のレシピで作ったんですが(とはいえ少々手順省略しましたが)大変美味しかったです。表面がカリカリ、中がしっとりフカフカ。特に、表面のカリカリの感がたまらなくイイんです。
やっぱり料理は科学ですね。
そして、子供が何かに興味を持つ「きっかけ」を本当に大切にしたいと思ったのでした。